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2008年2007年 2006年


特集/[にいがた花物語
新発田で07年第2回・花人会議 夢咲かせる地道な丹精

梅雨空の下、色とりどりのアジサイが咲き誇る護摩堂山山頂 花を素材にした魅力あるふるさとづくり、観光地づくりを目指し新潟日報社、県観光協会などが世話人となって展開しているキャンペーン「にいがた花物語」の一環として、今年二回目の「新潟花人会議」が一日、「あやめまつり」でにぎわう新発田市五十公野公園のサンワークしばたで開かれた。ハナショウブ、アジサイ、菜の花、チューリップなどを県内外にPRし、地域活性化や交流人口の拡大につなげている四団体が活動を報告。花を守り育てる苦労や、イベントの運営方法などについて活発に意見を交わした。

<現場報告>
野沢幸司さん(湯田上温泉旅館協同組合理事長)
清水重蔵さん(ビュー福島潟館長)
清野孝夫さん(五泉園芸連花卉球根部会副部会長)
<アジサイ 野沢さん>
 地域挙げ名物づくり
<菜の花 清水さん>
 五感での楽しみ重視
<チューリップ 清野さん>
 摘み時めぐり悩みも

新発田市のサンワークしばた  基調報告に続いて、田上町と新潟市の福島潟、五泉市で花を生かした活動をしている三団体が現場報告をした。地域の名所づくりの成功例や、市民参加の広がりなど、取り組みの様子や課題が紹介された。
 田上町からは、湯田上温泉旅館協同組合の野沢幸司理事長が、護摩堂山で開催中のあじさいまつりを紹介しながら、地域を挙げた「名物づくり」の経緯を説明した。
 「田上は古くからの温泉地で、新潟や長岡からも地の利は一番だったが、街も温泉も護摩堂山も知名度は低かった」と野沢さんは言う。
多くの来場者が白や紫など多彩なハナショウブを楽しんだ「あやめまつり」  何か名物をつくりたいと地元から声が上がり、昭和五十年過ぎから護摩堂山の山頂にガクアジサイを植え始めたところ、同町出身でベルリン五輪のマラソンコーチを務めた佐藤秀三郎さんが、在住地鎌倉から七百株のアジサイを送ってくれた。それを弾みに、組合員らが中心となって植栽を進め、今では山頂いっぱいに花を咲かせる名所になった。
 毎年花の季節には「あじさいまつり」と銘打ってPRしてきたが、昭和六十年代に組合の青年部が、さらなる「名物」として日本一長い流しそうめんを企画。「大渋滞を引き起こして苦情が出るほど」の人気を集めた。
野沢幸司さん  「今、困っているのは、アジサイが山頂にあると知らずに訪れる人が増えたこと」と野沢さん。最近では、ふもとの駐車場の斜面や、JR田上駅のホームにもアジサイを植えるなど、エリアを広げているという。
 新潟市のビュー福島潟では、人と自然が共生していた昭和三十年代を目標に潟の復元再生に取り組んでいることもあり、菜の花を潟のほとりに植え始めて十年になる。今では五ヘクタールほどに広がり、春には連日大勢の人が訪れるという。
 現場報告で清水重蔵館長は、種まきや刈り取りなどを市民のボランティアや学校の協力を得て実施していると紹介。「花は人を動かす力を持つ。見るだけでなく、自分が咲かせることが重要。それによって、きれいに咲く花の陰に善意があることも実感できる」とその効果を語った。
清水重蔵さん  「大切なのは楽しくやること」と、同館では触ったり食べたり「五感」を生かした取り組みを重視する。菜の花畑の道作りや菜種油作りのほか、ハチの羽音を聞こうと養蜂(ようほう)への活用も検討している。
 また、加藤登紀子さんの名誉館長最終年の二〇〇九年を目指し、「幸せの黄色いハンカチ大作戦」を展開中。来場者の協力で二千九枚のハンカチを菜の花などで染め、館からつるした下で加藤さんと歌を歌おうと計画しているという。
 五泉市からは五泉園芸連花卉(かき)球根部会の清野孝夫副部会長が現場報告した。「五泉は四季を通した花の産地。特にチューリップは県内一、二の出荷量。ボタンは全国でも島根に次いで第二位」と説明し、PRに毎年取り組んでいるチューリップまつりとボタンまつりを紹介した。
清野孝夫さん  市内一本杉で四月中旬から二週間開催されるチューリップまつりには、三ヘクタールの畑一面に咲く百五十万本の色鮮やかな花を楽しもうと全国から八万人が来場する。百五種五千株のボタンを誇る「ぼたん百種展示園」で五月に開催されるボタンまつりも、県内外から五万人が訪れ好評だという。
 開催の陰には生産者としての悩みもある。「チューリップは球根の肥大のために早めに花を摘みたいが、まつりで楽しんでもらうために、精いっぱい我慢して遅らせている」と清野さん。ぼたん園でも、「プロの仕事として恥ずかしくないよう、雪囲いや草取りなど年間を通した手入れに苦労している」と明かした。
 会議では参加者の意見交換も行われ、盗掘被害や市民との連携の仕方などについて語り合った。
 このうち盗掘の問題では、山道に植えた株の多くが盗掘されるなど、田上のアジサイの被害が目立った。野沢さんは「植えて間もない株が狙われる。最近は持ち帰りにくい大きな株を植えるようにしている」と対策を紹介した。
 清水さんは「『取っちゃダメ』では逆効果。『この部分はいいよ』と示してみては」と人の心理をつく手法を提案。会場からも「苗を格安で販売しては」と意見が上がった。
 またチューリップの花摘みについて、野沢さんが「今年は県内百軒の旅館が各地で花を摘み、館内に飾って宿泊客に喜ばれた。来年は五泉に行って摘みましょう」と連携を呼び掛けた。


【写真】梅雨空の下、色とりどりのアジサイが咲き誇る護摩堂山山頂=田上町田上
【写真】花を通した地域づくりなどの現場報告に、参加者は真剣に耳を傾け、意見も述べていた=新発田市のサンワークしばた
【写真】多くの来場者が白や紫など多彩なハナショウブを楽しんだ「あやめまつり」=新発田市五十公野公園
【写真】野沢幸司さん
【写真】清水重蔵さん
【写真】清野孝夫さん

基調報告・倉嶋新悦さん(市地域整備部 維持管理課) 新発田「あやめまつり」 来場者の声が励みに
新発田市五十公野公園で毎年開催される「あやめまつり」について、同市地域整備部維持管理課主任の倉嶋新悦さんが基調報告した。

倉嶋新悦さん  あやめまつりは今年で二十五回目を迎え、毎年盛大になっている。今年は例年にも増して花の付きがよかった。ハナショウブやアヤメの維持管理を先輩から引き継いで十年近くになるが、毎年、花の生育や開花状況がどう評価されているのか、プレッシャーを感じる。
 新発田城は昔から「あやめ城」と呼ばれ、一九七四(昭和四十九)年にあやめ園ができた。八七年にはアヤメが市の花に制定され、九七年に市制施行五十周年を記念して全国あやめサミットが市内で開かれた。現在では日本四大あやめ園の一つとされ、一・八ヘクタールの園内に三百品種、約六十万本の花が咲き競う。
 名称はあやめ園だが、植えられている花の99%はハナショウブ。アヤメやカキツバタは開花時期が早く、まつりの期間中はハナショウブが見ごろを迎える。ハナショウブは花が大きく、色も多彩で見応えがある。
 ハナショウブを毎年きれいに咲かせるには、まつり後の株分け作業が欠かせない。園の三分の一を掘り返し、株を一本ずつ分けて植え替える。株分けをやらないと三、四年で根が硬くなり、花が小さくなってしまう。
 大変な作業だが「今年のハナショウブはよかった」と言ってもらえることが何よりうれしい。限られた予算の中、これ以上の規模拡大は難しい。植える品種を替えたり、場所を移動させたりするなど工夫を重ねている。
 市内のNPO法人や施設から「アヤメを植えたい」という問い合わせも来ている。市民グループ「新発田川を愛する会」からは「川が汚れてきているので、河原にきれいなアヤメを植えたい」との要望が寄せられ、アヤメを譲って協力した。
 行政としてできることに限界はあるものの、アヤメが市の花としてもっともっと親しまれ、愛されるように努力していきたい。

【写真】倉嶋新悦さん

上越で来月第3回会議
 新潟花人会議は新潟日報社、県観光協会など6団体が昨年3月に世話人会を設立して運営している。
 2008年までの3カ年計画で、2年目の今年のテーマは「新潟の花を愛(め)でよう」。これまで取り上げた花人や花場(花と人が出合う場所)情報を通して各組織や団体の連携を強め、ネットワーク化につなげていくことを目指す。
 3月に新潟市で歌人馬場あき子さんらを招いて07年キックオフミーティングを開催。8月には東洋一といわれるハスが群生する上越市で、今年3回目の「花人会議」を予定している。
 同会議のホームページでは、趣旨に賛同する花人の登録を呼び掛けている。アドレスはhttp://www.niigata?hanabitokaigi.com/

春の里山巡り県外客に好評 県観光協会
 県観光協会の吉田雄一旅行開発課長が「にいがた花物語キャンペーン」関連企画の実施状況を説明した。五月上旬に行った県外客向けモニターツアーには十四人が参加したが、七十人を超える応募があり、本県の花に対する関心の高さが裏付けられた。
 このツアーは「にいがた春の里山巡り」と銘打ち、主に魚沼地方のカタクリ、ショウジョウバカマなどを観賞した。参加者からは「新潟の花は本当に奥深い」などの感想が上がっていたという。
 三月から六月にかけ、長岡の雪割草や上越市高田公園の桜など計五カ所を訪ねる「新潟発見塾」には、県内を中心に計百二人が参加した。
 吉田課長は「花は春に目立つが、それ以降は尻すぼみになっている。今後は通年で花を愛し、守っていくことが大切になる」と課題を指摘した。
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花人会議事務局:新潟日報社